惜別

よく行く場所で
時々思うことがある。
いつものように
リュックを背負って
彼があの角から出てくるのではないかと。

先日、
ビワの実が生っているのを見かけた。
まだ青い ビワ。



ある駅にも
線路沿いに大きなビワの木があった。
ホームに立っていると
快速電車が警笛を鳴らして走り抜ける。
その度にビワの木は
大きく葉を揺らすのだ。

あのときも
ビワの実が生っていたのか。
彼もあの木を見たのだろうか。


彼について私が
何一つ語ることなどできないけれど

ただ間違いなく思うのは
感謝と共にこれからも
彼を忘れることは
ないだろうということ。


2008.6.26




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