花と事故現場

早朝、事故現場に掃除に行った。
今住んでいるところから車で10分程。
どじが生後半年から亡くなるまで住んだ場所。
何年も住んで記憶に染み付いている風景が近づいてくると
動悸がし胸が締め付けられるようになる。

事故後信号機が設置された。
世の中には様様な考え方の人がいるから、
喜んで下さる方ばかりではなく
掃除をしていても掛けられるのは温かな言葉ばかりではない。
バイパスに接続する道路だから交通量も多く、
好奇の目で見ていく車もある。
事故後ずっと花を置き、掃除も頻繁にしていたけれど、
余計なストレスを感じるのが嫌で、
いつしか早朝や夜などにするようになっていた。

転居後も花を置き続けたいと思っていたけれど、
普段目にしなくなると、その場所に行くのが辛くなり、
1週間に1回だったのが1ヶ月に1回、年に数回と減っていき、
今は花を置くのは命日の時だけ。
掃除は年に数回行くだけになってしまった。

今は、近くに住む友人が、いつも造花を置いてくれている。
5月の子どもの日にはお菓子付きのミニこいのぼり、
お盆にはお菓子をお供えしてくれる。
友人の他にも、命日には花を供えて下さる方がいる。
そんな光景を目にした時には、
冷たく縮んでいた心が温かく解きほぐされるように感じて、
心から嬉しくなる。

他人にとってはただの事故現場だけれど、
遺族にとってはそこは、
大切な家族が死んだ場所。
何故こんなところでと涙する場所。

「いつまで置くの?」 と
忌み嫌う人もいるけれど、
そんな冷たい視線を向けないで下さい。
その花は、あなたや、
あなたの大切な人のために置かれていたのかもしれないのだから。

道端に花が手向けられている風景。
全国どこに行っても見かける風景。

何故そこで事故が起こったのか、考えて欲しいと思います。
自分や家族がその立場にならないように。
人を傷つけることがないように。

2005.7.3

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