招福

リビングを出ようとドアを開けたら
短い廊下の
突き当たりの部屋の前に
大きな猫がいた。

ドアにもたれて
お腹を見せて毛繕い?

むっちぃ?
違う。
似ているけれど毛並が違う。
みっちぃ?
違う。
似ているけれど
みっちぃはリビングの中にいる。
それに 似ているけれど
お腹のまわりは倍ほどある。

ドアを閉めて確認。
やっぱり私の後ろにみっちぃはいる。

もう一度ドアを開ける。
やっぱりその大きな猫はそこにいる。

もう一度ドアを閉めて
リビングにいる家族に
猫がいることを伝えたら
「ああ いるね」 と当たり前のような返事。

「そっとしておけばいい」
「あの猫は招福だから」

そうか 招福なのかと納得して
もういちどドアを開けて猫を見る。
猫は同じ場所でお腹を見せている。

目が合う。
見つめ合ったまま そのままで
大きな猫はそこにいる。

昨夜真夜中に見た夢だけど。

大きな猫は
いつも傍にいるのかもしれない。
気付かないだけ。 多分。

2008.3.26
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